*プリムラとカイザイク、ドライフラワーのコラボレーション。
額装のドライフラワーはセンニチコウ、薔薇、野茨の実、ノリウツギライムライトです。
池田康さんの作品。(名古屋市在住・雑誌「洪水」編集発行人))
蜜蜂 信濃路 池田康
きみは蜜蜂
花のありかを知る
飛んでいけ そこへ
いのちを吸う一日は金
世界の意味はきみとともにある
蜜を抱き
秘密を抱き
高原の昼を貫き
春渺茫をうがつ一点
を一身として
*大阪市在住の京谷裕彰さんの作品とのコラボレーション。
ヒバの枝は、乾燥するととてもいい香りがします。
いわゆる森の香り、ヒノキチオールが香ります。
ヒバの枝とチガヤの穂のツリーです。
冬の雪の中から伐採してきたヒバの枝と10月の田圃の土手から刈り取った茅の穂。
茅の穂は猫のシッポのような感触でです。
月夜の畦道でこれを見たら、幻想と恐怖が入り混じると思います。
「しずる夏の夜の 死にし神の面影」、
「欠けそめる咳の航跡に引き拓かれる 芋畑の憧れ」
の詩句へイメージが飛んでゆくといいのですが、、、。
反り返りある凹面鏡 京谷裕彰
泥の河に架かる屋根付き橋を渡りゆく黒い人の群れ
冬の朝鮮海峡を渡りゆく蝶番の大群
土筆の群落の地下浅くをうねる土龍の律動
にも似た窮屈さで まなじりを腐す
しずる夏の夜の 死にし神の面影にさきはわれ
欠けそめる咳の航跡に引き拓かれる 芋畑の憧れ
(二十三夜月の南中)
ヒバの枝です。
この分量のすべてが使用されています。
薔薇静か 広瀬大志
眼差しの先の鳥
時間を結うかんざしの
ようにさえずっている
茜色に空は落ちていき
このまま夜になるという
薔薇はいっさいの色をひき
人の眠りへ
彩りの層を積んでいく
*広瀬大志さんの作品「薔薇静か」
とのコラボレーションは、薔薇の花びらの漣と、薔薇のリーフの漣。
二つが、詩のフレーズに押し寄せていきます。