新年ですので、これからの一年の生き方を模索する参考になるかと思われるジブラーンの「与えること」いう詩を神谷美恵子の翻訳で紹介します。
ハリール・ジブラーン(★ハリール・ジブラーンは、Khalil Gibran、1883年1月6日 - 1931年4月10日はレバノン出身の詩人、画家、彫刻家。英語読みからカリール・ジブランとも呼ばれる。キリスト教マロン派教徒です)の「On Giving=与えること」という詩を神谷美恵子さんの翻訳で紹介したいと思います。神谷 美恵子(かみや みえこ、1914年〈大正3年〉1月12日 - 1979年〈昭和54年〉10月 22日)は、ハンセン病(神谷生前時は「らい病」と呼称されていた)患者の治療に生涯を 捧げたことで知られる女性精神科医で、哲学書の翻訳でも著名である。神谷さん翻訳のマルクス・アウレリウスの「自省禄」はとてもすばらしいです。ギリシャ語を学んで日本語訳するその過程が、医師であり母であり、研究者であって。なお、「ハンセン病」の治療にもあたったその姿勢が、人として女性として尊敬してやみません。
与えること 神谷美恵子訳
少しだけ持ちながら、全部を与える者がある。
彼らは生命と生命の恵みを信じているから
その金庫が空になることはない。
よろこびをもって与える者がある。
彼らにはそのよろこびが報いなのだ。
痛みをもって与える者がある。
彼らにはその痛みが洗礼となる。
与えるとき痛みもおぼえず。
よろこびも求めず、
徳をも意識しない者がある。
それは彼方の谷でてんにんかの花が
芳香を大気に放つにも似ている。
彼らの手を通して神は語り、
彼らの眼の背後から
神は大地に向かって微笑みたもう。
On Giving
And there those who have little and give it all.
These are the believers in life and the bounty of life,
and their coffer is never empty.
There are those who give with joy,
and that joy is their rewards.
And there are those who give with pain,
and that pain is their baptism.
And there are those who give and know not pain in giving,
nor do they seek joy, nor give with mindfulness of virtue;
They give us in yonder valley the myrtle breathes its fragrance
into space.
Though the hands of such as these God speaks,
and from behind their eyes He amiles upon the earth.
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