2016年6月30日木曜日

六月の詩集・詩誌

 忙しかった六月でした。詩集・詩誌のご恵送を感謝申し上げます。まだ、読めていないものもありますが、順に拝読させていただきます。

  水色の美しい詩集が届きました。平岡緑詩集『河が海に流れ入る時』(土曜美術社出版販売)この詩人は、初めて知る方です。本の造りがお洒落だな、と思ったら装幀が高島鯉水子さんでした。水色に金の文字。平岡さんの詩の内容の、知の煌きと通じる水の流れの「水色」の美しさがあって、好感を持った。ところどころに煌く1行がある。「私たちの立つ土壌の安寧を(31P)」「暗黒に祝福される私(35P)」「光を/聖ルシアを/賛美するのだ/つまり闇に包まれて(71P)」など。




今月も多数の詩誌のご恵送ありがとうございました。きょう、郵便受けに届いていた雑誌もありますが、今朝、拝読した3冊。



①「イリヤ 2016夏号」フレンドの左子真由美さんたち3人の詩誌。印象深い美しい表紙の赤。同人3人の近況も書かれていて、お姿も拝見できて、親しさを感じさせます。扉に、「みなさまへ」があります。戦後詩は、で始まる佐古祐二さんの9行の文章をここで引用はしませんが、ポエジーに充たされた詩を創作し発見していきたいと思うものです。






②「しばりふじ 4号」20162月に発行されていますが、友人から昨日、届いて読んでおります。海埜今日子さんが信州諏訪に見えていて、作品で縄文のビーナス、あとがきで北沢美術館のルネ・ラリックに触れているので、「おお!」と思って読みました。伊藤浩子さんの「異端審問その後~コンフラリア~」に強く惹かれて読むと、「日暮村」に辿り着く。夕暮れ時の夕陽射す村の景色を想像しつつ、なかなか興味深い終わり方。





③「ホテル 第2章 no.3820166発行。巻頭詩・カニエ・ナハさんの「:Sun Box14行。次頁は柴田千晶さんの「海牛のからだ」15行。2編とも、このくらいの長さで、きちんと、タイトルと内容が響き合う。こういう詩を書かなくちゃな、と思う。だが、私は、そういうものも書くが、そうではない詩論的な散文詩も書いていくだろうな、と思う。その内容が、感受性として感覚の指先で輝かせたらいいと思う。




2016年6月9日木曜日

夢の中の夢のように。



六月の薔薇、
咲きこぼれて。
夢の中の夢のように、
あなたは来た。
この、
明るさは、
ただ一つの、
まっすぐな、
心。






ただ一つの、
愛とでもいうように、
やさしさと、
うつくしさで、
ここに有る。









有る、
というそれだけで、
あらゆる論理を乗り越えている。
超自然なもの。
それが、
愛というものの、
存在の有り様なのだろう。






人ではないのに?
人ではないから、
あらゆる論理を乗り越えて、
有ることができるのでしょう。





六月の薔薇。
夢の中の夢のように。
ただひとすじの、
明るい心で、
ここに来てくれた、
あなた。





2016年6月7日火曜日

6月の詩誌と詩集














*総合詩誌『PO』の特集は、「祭り」。山田兼士さんのボードレールの「祭り」三部作。11p。「どこにも救いのない絶望が「憂愁」の源泉である」なるほど、15P.「詩人にとって真の祭りではないだろうか。群集の中に孤独を発見するのと同じ流儀によって、孤独に沈潜しつつ自らの祝祭を発見すること。」それから、PO会員の作品で、44Pに日野友子さんの「祭り」がある。ジェンダーの視線でとらえた「祭り」で、大胆なところもあるし、知的で、ユーモアもあって、とても骨格のしっかりした作品。








山田亮太詩集から
「現代詩ウィキペディアパレード」






八潮れん詩集。装丁の美しさ。


八潮れん詩集から、フランス語訳の1P.











山田亮太詩集
若い人の良い詩集が届きました。紹介したいと思います。実におもしろくて、言語への積極的な挑戦と、勇気を感じた。山田亮太『オバマ・グーグル』(思潮社)タイトル詩は時代批評と思想性に満ちた詩論詩だと思う。「災害対策本部」も良かった。



八潮れん詩集
八潮れん著。オルファ・ベルーマ訳『時砂』(ふらんす堂)|とても美しい装丁です。帯と扉の前がショッキングピンクで、八潮さんの世界へ引きこまれていきます。この詩集は日本語とフランス語の対訳で、このことも言語への積極的な挑戦です。日本語詩も、あとがきに書かれている文章もよかった。翻訳のかたのあとがきもよかった。友情が感じられて。

2016年6月4日土曜日

ピンク&オレンジ

(ちいさな花の庭に
(ちいさな花の姉妹のように
(ピンクとオレンジのジニア