2014年9月24日水曜日

薔薇と私

涼しい秋がきて、夏のあいだ休んでいた薔薇が再び咲き始めています。薔薇は高原地方では、六月一日には必ず、咲いてくれます。六月、七月と咲いて、八月はお休みです。そして九月の初めから咲き始めます。そんな秋薔薇の写真をアップします。どうして、薔薇が好きかと言うと、詩にも書いたように、生家に咲いていて好きだったこと。初めての夏のボーナスで薔薇の花柄のワンピースをオーダーした事。イヤリング、ハンカチ、ブレスレッドと、薔薇が好きです。

薔薇と私
薔薇とリーフのドライフラワーのなかに居ます。




薔薇のことを書いた詩を、小島きみ子詩集『Dying Summer』より転載します。



しまわれた、愛
(小島きみ子詩集『Dying Summer』より)



 
不思議ね
いつもそうなのだけれど薔薇はお気に入りのものの中にいる
写真の背景 スカーフやハンカチ イヤリングやブローチ 
初めて自分でオーダーしたワンピースの柄
子どもの入学祝いにも薔薇を植えた 
その薔薇で作ったポプリがわたしを深く眠らせる 深く深く心の深奥へと

会えたよろこび
幼い日のわたしたち 
どうして夢でしか会えないのか 
あなたは空気のように私をつつんでいる 
掌だと思うのだけれど 暖かい掌がわたしの心をつつんでいる 

薔薇の 香りがする
わたしが育った家の庭に咲いていたピンクの薔薇 
あの花の香りだと思う 
あの薔薇はどこへしまわれたのだろう 
どこにもない 白百合も 
鈴蘭も れんげつつじも 
どこへしまわれたのだろう 
あなたも どこへしまわれたのだろう 
どこにもいない

不思議ね わたしの子どもと 
あなたは おない年になってしまった 
その時も今も 
同じようにあなたはわたしの心をつつんでいる 
あなたは 幼いまま 空気のようなあなたでいる 
どこかへしまわれてしまったあなたの顔を見ようと
掌の 気配のする場所を 尋ねて行く 
その記憶の最後に 辿り着く場所には 
小川の 忘れな草の 上を水色の ゼフィルスが飛んでいる 

わたしは 幼い 心のままに そこにいる 
わたしは そこにいる自分が 誰なのかも 知っている 
どうして そこにいるのかも知っている 
とても 暖かくて 幸せで 
わたしは 満足している 
しまわれてしまったものが そこにはあるからだ 




秋薔薇の黒真珠。

作品中にある、ピンクの

薔薇と黒真珠です。




















0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。