この作品は、2016・7・23~7・24小島きみ子フラワーアート「エデンの東」展で発表します。
広瀬大志
薔薇静か
眼差しの先の鳥
時間を結うかんざしの
ようにさえずっている
茜色に空は落ちていき
このまま夜になるという
薔薇はいっさいの色をひき
人の眠りへ
彩りの層を積んでいく
「薔薇静か」の小箱。
小箱の蓋を開ける。
詩の行に沿って、
薔薇の葉、
ばらいろの薔薇、
茜色の薔薇、
ばらいろと茜色を分断する、
オレンジ色の薔薇、
そして、闇の始まりのヒオウギ〈ヌバタマ〉の実、
ばらは一切の色を退いて、
漆黒の闇が訪れる。
ヒオウギ〈ヌバタマ〉の漆黒の実。
つややかな黒い実は、二〇〇九年の秋にドライフラワーにしたものです。
ヒオウギは、オレンジ色のとても可愛い花で、万葉集に「ヌバタマ」で現される
表現は、夜の闇、女性の黒髪にかかる掛詞です。
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