2020年1月20日月曜日

20200120

写真の説明はありません。


大寒でしたね。
庭の寒暖計を見に行ったのと、さっきと、外に出たのは2回だけで炬燵の周囲で調べ事。雑誌を発行する事。大変な努力と人知れぬ苦労を黙ってやり通す、と言ってしまいました。社会正義が廃れたら此の世は闇です。創作上での美意識は物の命を尊重することが土台です。
冬に何回も風邪をひきます。今年は、雨雪降らず、乾燥が激しく強風で、買い物に行くたびに、駐車場で斃れます(おおげさです笑。)昔のキズが大体左半身に固まっていますが、詩を書いています。201910月に帯状疱疹を患ってから、左側に病気が発生します。

さて。ところで。

高見順の「死の淵より」を読んだのは、1974年のことだった。ただ純粋に感動した。谷川俊太郎の詩集を読んで感動したのとは、違う感動だった。ということを思い出したのは、冬の寒さのせいだろう。


高見順「死の淵より」1966


「奴の背中には」


奴の背中には
斜めに
タイヤの跡が黒々とついている
奴は口笛なんか吹いているが
奴の心は重いトラックのタイヤに
思いきり景気よくひかれたのだ
その証拠が陽気な口笛だ
あの気楽な足どりだ
ひかれた跡が背中に出ているのに
奴はそれに気づかない
だから奴は陽気なのだが
君は初めからすべて承知の上ひかれるがいい
君だっていっぺんひき殺されれば
奴のように陽気になれる
おれの女は
顔に斜めに
タイヤの跡をつけている







そして、私の詩も上げておきます。





冬の鳥

                            小島きみ子
 1.鶸


フィレンツェにはラフアェロの「鶸の聖母」がある
もう冬だった
うららかなひびきの「農村」という言葉が小鳥たちとともにあった日
鳥たちは冬の本当の寒さがやってくる前に
帰って行くものと
やって来るものと分かれて
この水田のうえを飛んでいった
小春日和の日曜日
灰色の道と青い空の間で
カワラヒワが水浴びをする








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2.ハシボソガラス


仏蘭西の画家ポール・ギュスターヴ・ドレは
ポーのThe Ravenの挿絵を描いている
Nevermore」としか応えないポーの大鴉のどこが好きかと訊かれれば
人間の「心理の暗黒」としか応えようがない
悲嘆にくれるその心のなかは鴉の羽のような暗闇なのだ
鴉は
空を飛びながら獲物を追っているのだ
農村地帯に生息するというハシボソガラスの群れが
黒い小旗のようにはためいていた
稲刈りが済んで掘り起こされた土の上を
鴉が羽ばたきながら歩いていたのだ
あれはミミズを掘っていたのか
土地の人がタニシと呼ぶ巻貝を嘴で掘って食べていたのかもしれない













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