2016年1月23日土曜日

1月の詩誌


1月の詩誌


1.昨年の年末に届いた詩誌「junction」97号。junctionが届くころは、本当の師走で、「ああ、ことしもこの雑誌を読んで1年が終わる」と思うことが多かった。少しズレてしまって、1月に読んでいる。「やがて沸騰し」という柴田三吉さんの詩を読んだ。柴田さんのお父さんのお弟子さんの「エイキ」さんの(死)を書いた作品。8P.の8行を引用する。(ひとたびこのよに生じたものは、芯まで消滅しない。中庭で幾組もの会葬者が空を見上げている。一週間を待ち続けた死者たちは(それぞれ語り尽くせない事情があったろう)、なかなかよく混じりあい、人のいない村や町へ帰っていく。厚く垂れこめる雲から雪を装って、魂がちらちら舞いはじめる。ときおり地面が揺れる。私はまだ悲しみに届かない。
左ページの空白が、空の雪のようで、右端の8行の文字は(魂がちらちら舞いはじめる。)ときのようだ。








2.年賀状と一緒に届いた「カラ19」は、松原牧子さんより。巻頭に書かれている佐伯多美子さんの作品「そして、それから、のように、」が、彼女の持っている狂気から遠く、とても落ち着いた穏やかな心情を表していて、なんとなくほっとする。佐伯さんが穏やかで嬉しい。逝いた父親の年齢を越す自分への愛おしさに、(懐かしい匂いに 泣いた)あなたの穏やかさに、ほろりとする。
そして、Izumi Read Takayamaの写真と、小林弘明さんの「Fの手紙」がコラボしたように美しいのだった。「リーガー公園の木々が色づいてきた。明るい日差しの中で、石畳を模した遊歩道を行き交う人々も緩やかな歩みとなるのだった。私たちは静かな場所を選びながら小さな丘に向かっていた。その見晴台のベンチからは、プラハ城やラウレンツィ山をのぞむことができるはずだった。」







3「孔雀船 vol87」66P。
文屋さんの作品は「ぼくらはぼくらの夢を見る」「何が不安なのか/しっかり見極めて/自分の愚かさを諦めることにする/きっと沈黙の時代はやって来る/やがて世界は暗くなり/誰もが恐ろしい夢を見るだろう」恐ろしい夢が、静かに夢のなかにやってくることの怖ろしさ。「ぼくらの呼吸はずっと止まったままだ」からだ。





画像で紹介をします。






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