2017年2月27日月曜日

2017年2月の詩誌・詩書




①高良留美子評論集『女性・戦争・アジア』(土曜美術社出版販売)
「女性詩をはじめ、海外の詩人たち、アジア・戦争・植民地支配について、さらには「列島」「現代詩」「詩組織」「詩と思想」等詩運動誌との関わりを通じて、女性詩の評価、戦後詩の反省、モダニズムの考察、人ともの、未来の詩への展望など、高良留美子の58年間に及ぶ評論活動を集大成。」したものである。(帯文より)
 あとがき、まで409ページ。評論集はどこから読んで良いと思うが、タゴールの詩碑が、軽井沢町の「峠」と地元で呼んでいる場所にあって、これは高良留美子のお母さんの高良とみの仕事に関わっている。このタゴールのことがこの本では、56Pの「タゴールの詩と日本の現代詩―生誕150年祭のために」で書かれている。この原稿は日本詩人クラブでの講演原稿でもあることが伺われる。タゴールは日本に5回来日している。日本女子大の学生であった、高良とみとの交流によって、後年軽井沢の峠にタゴールの詩碑が建立された。


②本村俊弘・英語訳詩集『NEWS』(七月堂)届きました。
第二詩集の『消息』(1996年発行)をかれの友人が英語訳してくれたそう。この2月、本村さんは「第13回グラナダ国際詩祭」へ招待されて参加されます。さらに、セントロアメリカ大学の日本語クラスの学生たちに「我が故郷、長崎」の講演をされるそうです。ご出版おめでとうございました。


③佐相憲一編『詩人のエッセイ集 大切なもの』(コールサック社)
各地の詩人45人による随想集。序文は佐相憲一。文章の他に、詩人のプロフィールが詳細に掲載されている方も、そうではない方もおられて、2段組・6ページがひとりひとりに与えられた紙数らしい。







★「ACT」仙台演劇研究会発行の2月号。Vol415 月刊の「ACT」が送付されるようになってから4年目。中綴じ印刷して折り畳んでホチキス止なしの14P.簡素だが、文芸のジャンルを網羅して、時代への主張もあって、なかなか内容の濃い冊子。それで、編集している丹羽文夫さんという詩人を知らないので、どんな方だろうと思っていた。
そこへ、★『ひびき』という文芸誌が、丹羽文夫さんから送付されてきた。『ひびき』80号は、丹羽文夫さんの特集のような趣がある。戯曲「空と風と星と詩」尹 東柱の生涯、全篇を掲載している。内容は、詩人・尹 東柱(ユン・ドンジュ、1917年12月30日―1945年2月16日)のことです。尹 東柱は、間島(現・中国吉林省延辺朝鮮族自治州)出身の詩人。本貫は坡平尹氏。号は海煥(ヘファン)。 第二次世界大戦下の日本において治安維持法違反の嫌疑で逮捕され獄死した。『ひびき』という文芸誌は、初めて読むのだけれど、丹羽文夫さんの編集ノートに「本格的な文芸誌として再出発してから58年もの時間が過ぎた」とある。頑張っているな、と思う。

★「PO」第164号、「ネビューラ」第53号、無事に届いています。ありがとうございます。

★かわいふくみ詩集『理科室がにおってくる』(コールサック社)愛知県在住の著者二冊めの詩集。中日詩人会に所属。前半の作品を読んでおりますが、理科室や、保健室でのことは、若い女性詩人?と思いましたら、あとがきに「第1次ベーブームの終わりに生まれた」と書かれていました。現代社会の言語感覚を感じました。後半はまだ読んでおりません。きょう、届いたばかりですので。帯文には「命の痛みの感覚」とあります。

1 件のコメント:

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